総合診療科としての役割
総合診療科は、専門化した日本の医療の世界において、特定の疾病に限定せずに適切な診療を受けることができるようにする道案内としての意味を持ちます。初めて創設され30年余りが経ち、内科や外科、精神科、皮膚科に至るまで、多くの診療を行うことが特徴です。世界では一般的な診療科ですが、日本では未だ浸透していないこともあり、今後、大学病院に限らず、地域の診療所においても期待される分野となっています。内科に分類される症状を訴える患者が多いため、内科を標榜する診療所が特に期待されています。もちろん、できる範囲で治療は行われ、地域医療のネットワークが確立していることが、患者を的確な治療や処置を行うための必要条件となるのです。更に、2002年度、国からの補助金制度により、電子カルテシステムが導入し、地域連携による情報の共有化を図ることで、地域医療のネットワークの確立にも一役買うと期待されていました。厚生労働省により「2006年度までに全国の400床以上の病院および全診療所の6割以上に電子カルテシステムの普及を図ること」を目標とされていましたが、実際には目標に対し普及が追い付かず、地方の医師不足も加担して、総合診療科の確立や地域医療ネットワークの確立が思うように進んでいないことが実情です。2009年時点での病院向け電子カルテの普及率でさえも2割程度に留まっています。地域の医師不足は深刻です。医師が不足すると、ひとりの医師への負担は多大なものとなります。超高齢社会の到来で、地域の患者数も増加し、更に労働条件の悪循環を起こし、勤務医から開業医への転身する医師が増え、地域医療の崩壊に繋がっていくのです。社会総合診療科が一般的に普及することは、循環型の医療体制が整い、地域医療への貢献が期待されているのです。